事業承継・事業再生事例

親族後継者への単独相続

親族後継者への単独相続する場合
【 親族後継者への単独相続する場合 】
A社の社長(全ての株式と会社の土地を所有)は,高齢になってきたことから引退を考えています。後継者としては社長の長男を考えています。(なお,社長の妻は既に亡くなっています)
社長には,次男と三男がいます。次男と三男はどうも長男との折り合いが悪いようです。
この場合,どのような点に注意するべきでしょうか。

ここがポイント!
社長が,会社の全株式と会社の建物を所有していますが,このままでは,相続が開始した際に,次男・三男が自己の権利を主張することで紛争となり,会社の経営に混乱が生じる可能性があります。仮に社長が遺言で全株式と土地を長男に相続させるとしていたとしても,次男・三男はそれぞれ6分の1ずつ,合計3分の1という遺留分を有することになります。また,社長は現在のところ元気であったとしても高齢で急に意思能力喪失の状態になるということも考えられます。
解決方法
  1. 遺言書の内容の工夫:まずは,長男の株式の段階的な生前贈与を行うなどして遺留分減殺請求の芽を摘んでおくことが考えられます。
    そのほかに,遺言で二男と三男に一定の預金等を相続させるようにします。仮に遺留分減殺請求の行使が避けられないとしても,遺留分減殺請求の順序を「第1に銀行預金,第2に自宅」と遺言で指定しておけば,株式や会社土地等が遺留分減殺請求の対象となりにくくすることができます。また,株式の時価が高額だった場合は,株式を議決権株式と無議決権株式に分けて,長男に議決権株式を相続させることとするように,種類株式を用いる方法も考えられます。
  2. 民事信託の利用(会社の建物):土地が相当に高額である場合は,社長が個人で民事信託会社を設立し,会社の土地を信託することが考えられます。そうしておけば,相続の対象となるのは不動産の持分ではなく,信託受益権という債権的請求権(金銭債権)になるので,会社は安心して土地を利用することができます。
  3. 任意後見の利用:社長に十分な判断能力があるうちにあらかじめ長男と任意後見契約を締結しておけば,仮に社長の判断能力が低下した場合に株主権の行使のほか,成年後見人の選任を巡る紛争を回避することができます。

遺言書の作成や民事信託の活用等の助言については,当センターの弁護士・税理士等が対応をいたします。



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